アロエは昔から「医者いらず」と言われるほど様々な病気や美容に効果があるとされてきました。火傷もアロエの効果のひとつとして民間療法では使われてきました。
火傷にアロエの葉の内部にあるゼリー状の部分を直接皮膚に塗りつけたり、ゼリー状の部分を小さく切って貼り付けたりといった方法がとられてきたようです。
しかし、それはやってはいけない方法なのです。
アロエは火傷に効かない3つの理由
火傷にアロエはダメ! の理由は以下の3つ
シュウ酸カルシウムの影響
アロエにはシュウ酸カルシウムという成分が含まれています。このシュウ酸三カルシウムには針のようにとがった結晶成分が沢山含まれていてこの結晶(目には見えません)が火傷をした皮膚につきさることで皮膚に刺激を与えてしまいます。
人によっては数日で痒みや痛みを伴った水ぶくれができ赤く腫れてきます。細い血漿が皮膚に突き刺さりかぶれを起こしてしまったからです。
細菌感染の危険
火傷によって炎症を起こした皮膚はバリアー機能を失ない細菌感染を起こしやすくなっています。そんな状態のところに不潔なまな板やナイフで作ったアロエを塗ったり貼り付けたりして良いわけがありません。細菌感染を起こしてしまいます。
アロインの刺激
アロエに含まれるアロインという成分がアレルギーを引き起こす場合があり、アロエを塗ったり貼ったりした場所にかぶれを起こす場合があります。
火傷はまず冷やすこと
火傷をした時はまず冷やすことです。
氷を用意できる時は氷水で、用意できない時は流水で30分前後患部を冷やし火傷の進行を止めることです。冷やさないと皮膚の深部に達した熱が更に内部に進行し火傷をひどくしてしまうからです。
しばらく冷やすと痛みが遠のき、気持ちも落ち着いてきます。
皮膚に水ぶくれができてしまった時は、水ぶくれをつぶしたりせず(細菌感染を防ぐ為)医師の手当てを受けて下さい。
火傷の応急処置
火傷をした場合は、以下の応急処置をすぐに行ってください。
- 流水で冷やす: 流水で10~15分程度、火傷した部分を冷やします。
- 清潔な布で患部を覆う: ガーゼなどの清潔な布で患部を覆い、保護します。
- 病院を受診する: 火傷の程度が深い場合は、すぐに病院を受診してください。
アロエ=万能ではない
アロエは皮膚に対しよい効果があると言われていますが、それもケースバイケースです。
盲目的に民間療法に頼ることはせず、医療機関・専門医による適切な治療を受けることも非常に大切です。
まとめ
火傷をした場合は、アロエを塗るのではなく、流水で冷やし、病院を受診することが重要です。
火傷の程度が軽い場合は、市販の火傷薬や保湿クリームを使用するなど、適切なケアをしてください。
参考サイト
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0825-6c_0006.pdf
- 日本臨床皮膚科医会: https://www.dermatol.or.jp/qa/qa8/index.html
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